多数個取り金型とは、1つの金型で複数の製品を加工できる金型です。生産効率を向上させて量産体制の構築に役立ちますが、金型のサイズや加工する製品の種類によって、取得できる製品数が変化するため綿密な計画と運用が必要です。
1つの金型で同時に加工できる製品の数を「取り個数」と呼びます。1つの金型にどの程度の取り個数を設定できるかは、対象製品の規模や種類、金型を製造する企業の技術力などによって左右されます。
単純に金型の凹み(キャビティ)を増やしても、加工技術が不十分であれば不具合品の発生率が上昇してしまうため、金型の取り個数は金型製造技術や加工技術を総合的に考慮して決定しなければなりません。
多数個取り金型のメリットは、1度の加工で複数の製品を取得できる点です。当然ながら多数個取りが可能になれば生産効率が倍増するため、納期を短縮して作業コストも軽減できます。
対応可能な製品の形状やサイズ、数量など色々と条件を考える必要はありますが、多数個取り金型を適切に製造して安定した加工技術の維持が必要。製造ラインにおけるコストパフォーマンスを高められ、原料となる素材の歩留まり率を高めて廃棄ロスも軽減可能です。
多数個取り金型と1個取り金型について、次のような違いが挙げられます。
多数個取り型は1回の加工で複数の製品・部品を大量生産できるため、1個取り金型に比べて生産効率は向上し、加工費も抑えることが可能です。
金型の費用については、1個の金型に複数の型を設けるので金型構造が複雑になり、多くの部品を必要とします。1個取り金型と比較すると多数個取り金型の方が費用は高くなるのがデメリットです。
多数個取り金型は構造が複雑となるため製作期間が長くなり、金型の納期も1個取り金型と比べると日数がかかります。
金型について違いを挙げましたが、多数個取り型は大量生産が可能で加工費を抑えることができる反面、金型製作の期間・費用がかかります。どちらの金型が適しているかは、製造する製品の形状やサイズなどの条件をトータルで判断する必要があります。
同一形状の部品を均一に量産できるため、生産効率を向上させることができるプレス金型。
高度な技術が必要とされ、依頼する金型メーカーによって制作・量産にかかる期間や品質が異なります。
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