分断型とはプレス金型の中でも、加工時に分断加工(分断工程)を必要とする金型です。通常のプレス金型だけでは成形が困難な形状を実現させたり、製品の生産効率を向上させたりする目的で分断加工が採用されることもあり、そのようなケースにおいてはプレス金型の分断型が使用されます。
具体的には左右非対称な製品をプレス加工したい場合などに分断型が用いられます。
例えば左右非対称な製品を、プレス金型を使ってプレス加工しようとしても、成形時にバランスが悪くなって形状が不安定になったり不具合が生じやすくなったりするという点が問題です。そのため、分断加工ではひとまず安定的に成形できるデザインでプレス加工を行い、その後に対象を2個以上のパーツへ分断して最終的な形状を獲得します。
分断型を利用することで、通常のプレス加工では成形困難とされる非対称製品などの量産を効率的に進めやすくなることがメリットです。また、1つのワークを分断して複数の製品として生産できることから、シンプルに金型加工の生産性を向上させられることもメリットでしょう。
また分断型を使って複数の加工を同時に行うことで、工程を圧縮して工期を短縮したり、それによってコストを削減したりといったメリットを追求することも可能です。
分断加工を伴う分断型の場合、分断によって製品が2つ以上に分けられて加工材料がパンチに付着することはありません。そのためストリッパを使う工程を省略できる可能性があります。反面、製品の形状や素材によっては分断工程によって製品へ必要以上の圧力が加わり、分離したパーツが左右へ飛び出すリスクもあり、加工時の作業や回収について配慮しなければなりません。
例えば小電力コイルやトランスの芯材として使用されるEIコアは通常、電磁鋼板へ打抜き加工を施して積層するといった方法で製造されます。そしてこの際、EIコアはEコア部分とIコア部分の2種類のパーツへ分断される工程を必要とし、コイル材からEIコアをまとめて製造する上で分断加工と穴あき加工を融合させた複合金型が使われます。
同一形状の部品を均一に量産できるため、生産効率を向上させることができるプレス金型。
高度な技術が必要とされ、依頼する金型メーカーによって制作・量産にかかる期間や品質が異なります。
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