金型の修正は、トライ成形(試作)を行ってみて成形品の寸法精度や形状などの品質を確認し、品質に問題があった場合に行われます。修正する際は品質不良の原因がどこにあったのか、金型の合わせやコア・キャビティ、冷却方法などを確認しながら考察。そのうえで修正を行っていきます。
金型の修正はないのが理想ですが、最初のトライ成型で満足のいく結果がでるとは限らないため、金型の修正は起こりえるものという前提で考えておくのが良いでしょう。
プレス金型の
試作対応について
プレス金型でバリが発生する原因は?
金型の修正は、金型の品質に問題がある場合だけでなく、製品の急な設計変更が必要になったケースでも行うことがあります。仕様変更は納期や価格にも影響するため、図面や設計書は後日の変更・修正がないように発注の段階で設計の完成度を高めておくことが重要です。
切削は金型の成型面を削り取り、金型を修正する方法です。成形した部品が別の相手部品とうまくはめ合わせることができない場合などに、切削での修正が用いられます。このような別の相手部品とはめ合わせる部品を製造する際は、形状修正ありの前提で金型を製作し、徐々に調整しながら修正を加えるのが一般的です。
切削は母材の金型を削り取るだけなので、強度などに影響する心配はありません。ただ、成形面が削り取られることで、成形品の表面の寸法が変わって設計仕様を満たさなくなる場合もあるので注意しましょう。
溶接は、削りすぎた金型に溶かした金属で肉盛りし、修正形状になるように切削加工して仕上げる修正方法です。手動で溶接するか、もしくはNC(数値制御)によるロボットやNC加工機などを用いて行われます。溶接は設計変更に伴う修正のほかに、金属の一部が欠けたり亀裂が入ったりした場合の暫定的な補修としても利用されます。
切削による修正とは違い、母材の金型に別の金属を接合して修正するため、溶接部分の強度が低下する傾向があります。また、溶接部に熱ひずみが発生することで寸法が変化したり、溶接部が腐食したりする場合もあるので注意が必要です。溶接での修正は切削よりも注意すべき点が多いため、修正方法としては切削のほうが対応しやすいと言えるでしょう。
製作の過程で修正が必要になりそうな箇所がある場合は、切削で対応できるような金型を製作するのがおすすめです。
同一形状の部品を均一に量産できるため、生産効率を向上させることができるプレス金型。
高度な技術が必要とされ、依頼する金型メーカーによって制作・量産にかかる期間や品質が異なります。
そこで、金型メーカーを選ぶ基準となる、精度を含めた品質・試作~量産までのスピード・起工~部品納品までの付帯費用を含めたコスパの3点それぞれに優れている金型メーカーをご紹介します。